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「ねぇアリサ」
「なぁにゼロ」
「彼は女の子なの?男の子なの?」
「ゼロと同じ、と言っておくわ」
うーん…
「それは複雑だね」
アリサは順調に人間を創っているみたい
一番最初に創られた子も、微笑むようにも悲しむようにもなっていた
今だって、興味津々に童話を読んでいる
可愛らしいけれど、僕の何かがこの子たちを受け入れない
「ゼロ、最近お気に入りの世界があるみたいね?」
「お気に入り?」
「たくさん行ってるわ。何かあるのかしら」
「偶然だよ、僕は適当に世界を渡っているだけだからね」
「……そう」
お気に入り…
ニヴァルトって言ったっけ?
彼のいる世界だよね…
お姫様を退屈させないようにと、他の場所にも行っているけれど
やっぱりバレちゃうか
バレて不都合があるわけでもない…あるわけでもないのに
魔女の瞳が、僕に嘘をつけと
警鐘を鳴らす
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