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人形へ抱いていた違和感

アリサへ覚える警戒心


触れた途端注ぎこまれたすべての答え




君は、いつからそんなに黒いドレスばかり着るようになってしまったんだっけ


ごめんね、愛しい僕の魔女

「アリサ、僕はここにはいれないよ」

「……なにを言うの?」

「僕は、ヒトを殺すような君とは一緒にいられない」

「…………」

「ヒトの命で、人形を動かしたんだね。…それも、数え切れないくらいの」

「…………」

「君のその魔力も僕のモノ…。その目をあげた時に、力を取ったんだね」

「………ふふ」

「アリサ…」

「ふふふ…ふふ…あはははははははっ!」


いつもの可愛らしい笑い声はどうしてしまったのか

魔女は高らかに笑う

 

 

「あははっ…そうよ!…ふふっよく思いついたでしょう?」

「ねぇゼロ、よく出来ましたって褒めてほしいわ。頭をなでて、微笑みかけて頂戴!」

「だって殺したのは、この私を蔑んだ奴らよ!当然の報いでしょう!」

「ふふふっ…あんなに私を馬鹿にしていた奴らが、頭を床へこすり付けて命乞いをするの」

「可笑しいったらないわ!どうしたら許されると思えるのかしらね!!」

「汚い…あんな汚い奴らが…私の可愛い人形の中へ入れるなんて…むしろ感謝するべきよね…っ!」

「ねぇ…貴方ならわかってくれるでしょうゼロ…?私の事をわかるのは貴方だけ…貴方をわかるのも、私だけだわ……」

「大丈夫よ、貴方には痛いことなんてしない…あんな世界のことも忘れさせてあげる…」

「他の奴等と同じお人形に入れるなんてこともしないわ…ゼロ、貴方は私だけの物よ…」

「ねぇ、そうでしょう?……ねぇ…!…ねぇ!!」

 

 

 

紅い綺麗な髪を振り乱しながら…

その小さな手で僕へ掴みかかる


間違った道へ進んでしまった

重い重い罪を犯してしまった

魔女の手は僕の首元へ

もう笑顔も消えてしまった…

僕と同じ瞳が、冷たい雫を流している


これは涙といったっけ――





アリサ…

愛しいアリサ…

僕の瞳は強すぎて、いつの間にか君への毒になってしまったんだね



僕にはまだ、君を救うすべがわからない


「……ごめんね」

 

 

 

冷たい頬へキスをして

僕は彼女の手から、
彼女の世界から逃れる

――…だけど



最期に聞こえた魔女の呪い



 

 

 

ニ ガ サ ナ イ

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