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僕が出会ったのは盲目の少女


「こうして誰かとお話をするなんて、いつぶりかしら!」

「私ね、ずっとここに独りでいたから。貴方のような人が来てくれるなんて!」

 

「村の人は私を避けるから……今日はとても素敵な日ねっ」

 

 

 

本当に人と接する事がなかったみたいだ。

少し興奮気味の彼女はコロコロと表情を変えて忙しなかった

 


僕にはその感情がよくわからないし…

興味もなかった

「ねぇっ貴方は、人ではないのね?」

「………へぇ…?」

「ふふっ…私、そういうのには敏感なのよ」

「それは、視えないから?」

「それもあるけれど……。
私ね、生まれつき人より魔力が強いの……だからだと思うわ」

「ふぅん…」

「貴方って不思議……。貴方にも、魔力とは違うけれど…とても強い力があるわね?」

「どうかなぁ…でもお嬢さんにそう視えるのならそうなんだろうねっ」

 

「お嬢さんじゃないわ!私はアリサ。…ねぇ貴方は?」

 

「僕?」

最後の瞬間…誰かに名付けられた名前……

「………僕はゼロ」

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